なぜプログラミング教育が必要なのか

2020年に小学校でプログラミング教育が必修化になるということで、にわかにプログラミング教育が注目を集めていますが、プログラミング教育が必要だということについてその理由や目標は人によって異なっていると思います。

私が「プログラミング教育を受けた方が良い」と考える理由は、コンピュータやネットワークを生活の一部、生活基盤として当たり前に使うようになった現代において、その基本的な仕組みを知っておくことが必要だということがひとつ挙げられます。

たとえば、車がどうやって走るのか?ということについては、多くの方が「なんとなく」はわかると思います。エンジンの中でガソリンを燃やして(もしくは爆発させて)その勢いでエンジンを回して、それをタイヤに伝えてタイヤを回す。アクセルの踏み方でガソリンの出る量が変わるからスピードは変わるし、ブレーキを踏むとタイヤに力が加わって車のスピードが遅くなって止まる。車の向きを変えるには、ハンドルでタイヤの向きを変えてあげればよい。

おそらく、これぐらいのことは多くの方は「なんとなくわかる」レベルでは理解していると思います。もちろん、エンジンの方式がどうとか、サスペンションの方式がどうとか、ブレーキの方式がどうと言った細かいところまでをみんなが知っているとは思わないし、知っている必要はないと思います。

しかし、先にあげた基本的なことを理解していれば「車を運転する上で、どんなことに気をつけなければいけないか?」というのはある程度想像がつきます。この部分がプログラミングを含めITの世界には無いのです。みんなが普段使ってる「アプリとはどんな風に作られているのか」「LINEのメッセージはなぜ届くのか」というのはまったく想像がつかないと思います。

そこでプログラミング教育です。いや、必ずしもプログラミングでなくてもいいのですが、コンピュータやネットワークの仕組みを理解することで、ITに対する不安感も解消されるはずですし、セキュリティということについてももっと底上げされる、と思っています。

プログラミング教育は「みんなプログラミングできるようになりましょう」ということではなくて、基本的な知識を得ることで「日常的に使っている道具の利便性とリスクがわかるようになる」ことが最大の効果なのです。