CoderDojoのGive & Take

この記事はCoderDojo Advent Calendar 2017の21日目の記事です(若干遅刻したけど)。

「CoderDojoはボランティアの運営によるコーディングクラブです 」というのが、CoderDojoを紹介する時のひとつの表現方法です。

最近こそは減ってきましたが、それでもまだ「なんで、ボランティアでやってるの?」と言われることもあります。

「ボランティア」と言う言葉ほど、日本で誤解されている言葉はないんじゃないかってぐらいに、誤解されているように思います。ですが、ここでは「何をどう誤解しているのか?」というところは一旦置いといてどうしても「Give & Take」が無いとダメだって方々のために、「CoderDojoのGive & Take」について書いてみます。ただし、ここで言う「Give & Take」はメンターさんの立場からのものに限ります。

CoderDojoにおける「Give」

CoderDojoにおいて、メンターさんが提供しているもの「Give」には色々なものがあります。

一番わかりやすいのは、やはり「プログラミングに関するスキル」。これがあるからこそ、ニンジャが作りたいものをサポートできているわけです。しかし「プログラミングに関するスキル」がメンターとして活動するために必要条件ではなく、十分条件でもありません。

時にはニンジャのPCのトラブルシューティングだとか、「非言語」の部分でニンジャをサポートすることもありますし、デザイン的な面でサポートするメンターさんもいます。

直接的にニンジャをサポートしなくても、Dojoの様子を写真に撮って記録したり、会場の手配、お金の管理、関係する組織や団体とのやりとりなどプログラミングに関係すること以外にもたくさんの「Give」があります。

日本の場合、特に大きな意味があるのが「翻訳」。CoderDojoはアイルランド発祥のグローバルな活動なので、webサイトをはじめ多くのものが英語で提供・発信されています。これらを日本語に翻訳して、日本のCoderDojoに関わる人達が扱いやすくするというのもそのひとつです。

翻訳による貢献は、プログラミングとは別のスキルが必要とされますので、なかなか進んでいないのが実情。自分も少しずつ翻訳していってますが、システムは生き物なのでシステムが変わればまた翻訳が必要。この分野でもお手伝いしてくださる方が増えてくれるととても助かります。

Zen Community Platform

CoderDojoにおける「Take」

ではメンターさんが得られるものは何でしょう?

仲間

コミュニティで活動して得られる一番わかりやすいものといえば、やはり一緒に活動する仲間でしょう。それは、Dojoの時間だけじゃなくてそれ以外の時も、Dojo以外の活動や場合によっても仕事仲間に発展する場合もあります。

新しい知見

CoderDojoにはいろんなスキルを持った人が集まります。そういった方々から新しい知見を得るのはニンジャだけじゃなくて、メンターもまた同じ。むしろ、メンター同士の方が接している時間が長いこともあって、ニンジャよりメンター同士の方が勉強になることも多いんじゃないかなって思います。

新しい出会い

これはきっとCoderDojoに限らないと思いますが、コミュニティで活動していると人と人の繋がりから、また新しい人の繋がりを得ることも多くあります。この記事を書いている今日もこんな会に参加してきたばかり。

海外在住及び海外で活躍している、クリエイティブ系の人々から沢山のアイデアを得て、自分も活躍しよう!

イベントを主催されている細谷さんは、知るひとぞ知るMr.CoderDojo Japanであり、Mr. DojoCon Japanで、かつMr. Typoの細谷さん。登壇者のひとりである石川さんは、アイルランドのCoderDojo財団が入居している施設のスタッフで、それが縁で知り合ったし、登壇されている他のお二方は石川さん繋がり、つまり全部CoderDojoから始まってる。

こういうことって、今日だけじゃなくて今までに何度もあったんです、お金をいくら積んだって得られないんですよ。こういうことがあるたびに「CoderDojoやってよかったなぁ」って思います。

決して「Take」が目的ではない

もちろん、これらの「Take」が目当てで「Give」しようというわけではありません。あくまでも、活動してたら結果こういうことになってた、というだけなんです。

うまく説明できないけど、こういうコミュニティの形が、近い将来に社会全体が広がって社会の仕組みと一体化していくような気がします。CoderDojo(というかコミュニティ)は近未来の社会の形だと信じてます。