「お客様目線」は他人ごとじゃなくて自分ごとで
以前、Facebookでもチラっと書いたのですが、もう少しこの意図を説明します。
「お客様」という想像上の生き物
主に消費者向けの商品やサービスを産み出す企業で「お客様は何を求めているのか?」を考えて商品作りすることを強く求められます。
これはあくまでも私の経験に基づいて、なのですがその時に語られる「お客様」は想像上の生き物であることが多いように思います。「30代女性は子育てに疲れてる」「30代男性は可処分所得が低い」「50代はITリテラシーが低い」みたいなことが積み上がって出て来た「お客様」は様々な特徴を持った「モンスター」になっていることがよくありました。
実際にユーザーヒアリングをして声を集めることもありますが、結局最後に企業の人間がまとめる段階で想像上の生き物と化していきます。
そしてそういった「お客様」向けの製品は「言い訳が多くて」「本当にお客様が求めていることをケアできてなくて」「必要以上にコストのかかった」製品になっているんじゃないかなと。
それを「日本らしいものづくり」と表現されることもありますが、こういうったものづくりのおかげで商品の値段が上がり「日本製=高い」となり世界的な競争力を失っています。日本人だって同じ性能、機能なら安いものの方がいいですから日本でも売れない、結局どこでも売れないそんな状態に陥っているような気がします。
まずは自分のこととして考えてみよう
あげくのはてには「その製品を作っている本人が欲しいか?」と問うと「自分は要らない」という始末、じゃぁ一体誰が欲しいのか???
もちろん世の中には色んな考え方の「お客様」がいますので分析は必要ですが、まずは自分だったらどうして欲しいか?ここからスタートすべきだと思います。自分が欲しいと思えればよりよい製品にするためのアイデアも生まれるし、ちょっとした使い勝手の部分にも気を配ったものづくりが出来ます。
日本でものづくりをしている現場の方には、自分が欲しいもの、自分が愛せるものを作って欲しいと願うばかりです。