【初心者向け】Windows PCを購入する時に知っておくべきポイント(2020年8月)
最近、Windows PCの購入について相談を受けることが何度かありましたので、購入機種を選ぶ際のポイントについてまとめてみました。あくまでも私が初心者向けにアドバイスした場合に以下のポイントを教えますというもので、PCに詳しい方やこだわりのある方は違う観点で選ばれる方もいらっしゃると思います。この点、ご理解の上参考にしていただければと思います。
本体を選ぶ際のポイント
PC本体を選ぶ際のポイントは、「CPU性能」「メモリ容量」「ストレージ容量」「画面サイズ・解像度」「見た目」です。
CPU性能
CPUとはPCの頭脳にあたる部分で、この性能が高いほど性能の高いPCと言えます。一番いいやつ、とは言いませんがあまり性能の低いものを選ぶと後悔することになるので、Intel Core i5以上、もしくはAMD Ryzen5以上(最後の数字の大きい方が性能が高い)を選んでおくと良いでしょう。
ただし、Ryzenの方がコストパフォーマンスが高いと聞きます。Core iとRyzenの違いは以下の記事を参照してください。
また同じCPUでも世代が異なればより新しい世代の方が性能が良いことがほとんどです。同じCPU(たとえばCore i5)を搭載しているモデルなのに極端に安い場合は世代が古いものである可能性があります。必ず世代まで確認しましょう。世代の見分け方についてはこちらを参照してください。
メモリ容量
アプリを起動した時に必要になるものです。メモリも次のストレージも「容量」の大きさが性能に関係してきますが、メモリはアプリを立ち上げた時の動作の快適さに影響します。オフィスに例えると、机の上のスペースみたいなものです。容量の多い方が(机の上が広い方が)一度にたくさんのアプリを起動できて快適に作業できます。最低で8GBあれば良いでしょう。もちろん多い方がいいですが、後は予算との相談です。
ストレージ容量
ストレージとはファイルやインストールしたアプリを保存する場所です。メモリと同様にオフィスに例えると引き出しやロッカーのようなもの。容量の多い方がより多くのアプリをインストールしたり、ファイルを保存できます。最低でもSSD256GB以上あれば良いでしょう。
大量の動画を扱うなど大容量のデータを扱うのであれば多い方がいいですが、そうでなければ256GBもあれば十分。余裕をみても512GBでいいと思います。HDD(ハードディスクドライブ)とSSD(ソリッドステートドライブ)の2種類がありますが、スピードが全然違うのでSSDを選ぶべきです。
画面サイズ・解像度
これは用途によって変わります。頻繁に持ち歩くのあれば13インチが良いですし、自宅に置いて使うことが多く画面が大きい方が良いのであれば15インチ以上がいいかもしれません。ただし、画面に表示される情報量は画面の大きさでは決まりません、解像度で決まります。画面の大きさ(インチ)と解像度(px)の両方を確認してください。たとえば、解像度がフルHDの場合は横1,920 x 縦1,080(単位はpx)になりますが、同じ解像度であれば13インチでも15インチでも表示される情報の量は同じです。ただし、画面サイズが小さい分13インチの方が文字は小さくなります。
見た目
各個人の好みによりますので、それぞれで判断してください。
Windowsのバージョンについて
現時点(2020年8月)のWindowsの最新版はWindows 10でそれ以前のWindowsはすべてサポート期限が切れており使うことができません。今、新品で購入できるWindows PCにはすべてWindows 10がインストールされています。もし中古での購入を検討している場合は、Windows 10がインストールされていることを必ず確認してください。
HomeとProの違い
Windows 10にはHomeとProがあり、ハードウェア仕様が同じなら、Home搭載機種の方がPro搭載機種よりも安くなります。HomeとProの違いについては以下のリンク先を見ていただければわかりますが、Proはごく一部ユーザー向けですのでProでなければならない明確な理由がある方以外はHomeで大丈夫です。その理由って何?という方もHomeで問題ありません。
Sモードについて
Windows 10 Home、Proともに「Sモード」というものがあります。Sモードはセキュリティを向上させるため、アプリをMicrosoft Storeからしかインストールできないようにするなどの制限が加えられたWindows 10のひとつのモードです。Sモードと表示されたWindowsでもSモードを解除すると従来のWindows 10と同様に使えます。ただし、一度Sモードを解除すると再びSモードに戻すことはできません。詳しくは以下のリンク先をご覧ください。
Windows 10 (S モード) に関してよくあるご質問
Sモードに対応したWindows 10搭載モデルであれば最初はSモードで使用し、Sモードで差し支えがあるようならSモードを解除するという使い方で良いと思います。
Microsoft Officeは必要?
ここの判断は難しいですが、必ずしもなくて良いと思います。会社でMicrosoft Officeを使っていて同じものを使いたい、就職した時のことを考えてMicrosoft Officeの練習をしておきたい、というのであれば買っても良いかと思いますが、そうでなければ不要かと思います。
Microsoft Officeを購入するのであれば「バンドル版」「永続版」「サブスクリプション版」の3つの購入形態から検討する必要があります。
- バンドル版
PCに最初から付いているものです。メーカーの直販サイトであれば、購入時にOfficeの有無を選ぶことができる場合が多いです。「バンドル版」については、そのPCでしか使えないという点に注意が必要です。次にPCを買い換えるタイミングでOffice無しを選んでOfficeだけを前のPCから移し替える、ということができません。しかし、次の「永続版」よりも安いというメリットがあります。 - 永続版
PCとは別にソフトだけ購入するもので、支払いは購入時の一度だけ。ただし、新しいバージョンが出た時にバージョンアップするには、もう一度購入が必要です。永続版はPCを買い換えた時古いPCから新しいPCに移し替えることができます。
Microsoft Office Home & Business 2019(永続版) - サブスクリプション版
1年単位で使用料を支払う形式です。個人用途であれば年間約12,000円(約1,000円/月)なので、初期投資としては安くあがります。使い続ける限りは年単位での支払いが発生しますが、バージョンアップした場合でも別に費用がかからないというメリットがあります。
Microsoft 365
Microsoft Officeのバリエーション
「バンドル版」もしくは「永続版」を購入する場合、バリエーションの違いに注意してください。ポイントは「PowerPointがついているか?」ということ。
- Microsoft Office Personal 2019:PowerPoint無し
- Microsoft Office Home & Business 2019:PowerPoint有り
PowerPointを利用したい方は多いと思いますので、価格が安いからといって”Personal”を選ぶと安物買いの銭失いになりますので注意しましょう。
ややこしいのは、サブスクリプション版のMicrosoft 365であれば”Personal”でもPowerPointが含まれていることです。
企業の戦略としてサブスクリプション版に誘導したいのはわかりますが、似たような名前で微妙な差があるのは初心者には難しいと思います。
無料Officeという選択肢
どうしてもMicrosoft Officeでないとダメというわけではないけれど、ワープロや表計算を使いたいという方には無料のOfficeソフトを使うという選択肢があります。
-
Web版Microsoft Office
Microsoft社が提供するWeb版 Microsoft Officeは無料で使えます。クラウドサービス型のOfficeで利用にはインターネット接続が必要で、機能も一部制限されていますがMicrosoft自身が提供しているので、データの互換性の面で安心して使えます。サブスクリプション版であるMicrosoft 365の機能限定版と言えます。 -
Googleの無料Office
Google社が提供するGoogle Driveで使える無料のOfficeアプリもあります。Googleドキュメント、Googleスライド、Googleスプレッドシートです。これらもクラウドで動作するものでブラウザから利用します。利用にはインターネット接続が必要です。 -
Libre Office
クラウドサービスの場合、インターネットに接続できる環境がなければ使えませんが、オフラインでも使いたいという方にはLibre Officeというものがあります。こちらはソフトウェアをダウンロードしインストールするタイプのソフトウェア(アプリ)ですが無料で使えます。
Microsoft社製以外のOfficeでも、Microsoft Officeで作ったファイルを開いたり、Microsoft Officeと同じファイル形式で保存できますが、完全に同じではないためレイアウトが崩れたり一部の機能が正しく動作しない場合があります。
メニューの構成や機能の有無が一部違うものの、多くの場合でMicrosoft Officeと同等の使い方ができます。
Microsoft Officeで作ったファイルを開いたり、Microsoft Officeと同じファイル形式で保存できるとはいうもののMicrosoft Officeを使っている方とファイルのやり取りすることが多く、何か問題が発生した時に自分で解決する自信が無い方はWeb版Microsoft Officeや有料のMicrosoft Officeを使った方が無難かもしれません。
類似の有料Officeには手を出すな
Officeソフトウェアには、上に書いたMicrosoft OfficeとGoogleドキュメントなどやLibre Officeのような無料のもの以外に、有料のOfficeソフトウェアもあります。
これらのOfficeソフトウェアはMicrosoft Officeよりも安い価格設定で、Microsoft Officeと互換性(レイアウトが崩れたりすることなく同じデータが使えること)があることを謳(うた)っていますが、どんな企業でも100%の互換性を保証できません。安物の中途半端なOfficeを買うぐらいなら、無料のOfficeソフトを使うことをおすすめします。
安いものを探す
価格最優先で探したい場合は、価格.comが分かりやすいです。ただし、価格が安いのにはそれなりに理由がありますので内容をよく確認してください。
よくある価格が安い理由
- もっと新しいモデルが別にある
- CPUの世代が古い
- Microsoft Officeがついていない
- ストレージがSSDではなくHDDである
購入先
家電量販店とネットがありますが、店員さんの話を聞いて判断できるのであれば店頭でもいいと思いますが、そうでなければネットで購入することをおすすめします。ネットの方がじっくり選んで自分のペースで購入できるからです店頭だと店員さんの営業トークに載せられて意図しないものを買うことになる可能性もあります。
ネットで買う場合、実物が見られないというデメリットがありますね。実物を見たいのであれば、ネットである程度候補を絞り込んでから見に行くと良いでしょう。購入したいものが決まっていて、店頭で実物を見てから購入を決めるというのであれば店頭で買うのもありかと思います。
日本で購入できる主なPCメーカー
こちらは、日本で購入できる主なPCメーカーのサイト一覧です。どのメーカーも直販があります。
国内
海外
Windows以外の選択肢
PCには、MacやChromebookなどのWindows以外の選択肢もあります。
初心者の方であれば、いざという時身近に相談できる方がいると安心かと思いますので、相談できる家族や友人がどんなものを使っているかを知っておくのも重要なポイントです。