システム化ってなんだ?

久しぶりの「なんだシリーズ」です。私もシステム化とかDXとかということに関わることが多数あります。その時に期待されることのほとんどは「デジタルツールの導入」です。でも、ただデジタルツールを導入するだけでは意味がありません。

そこで今回はシステム化するってどういうことだろう?ということについて、私の周辺にはいつもお話していることをお伝えします。

ルールをツールに変えること

業務を行う上で、たくさんのルールがあります。業務を進める上でルールを守らなければ正しく業務が遂行できないばかりか、余計な負荷が生まれることがあります。

なのでそのたくさんのルールを覚えなければなりませんでした。コンピュータがなかったころは、それを紙の様式という形で形にすること「ルールを覚える」負荷から解放されたのです。

でも、今はコンピュータがあります。コンピュータを使って、ルールとして存在したものをツールという形に変えることで人間がルールを覚える負荷を紙の時よりも下げられるようになりました。

これがシステム化する大きな理由であると思います。

なので、ツールを使うためにルールを覚えないといけないとなれば、それは本末転倒であり、私が「使いやすさ」にこだわる理由でもあります。使いにくいシステムはたいてい多くのルールを覚えないと使えないですからね。

自動化ではなく省力化

システム化は自動化ではなく、省力化と考えた方良いです。自動化というと、人間が何もしなくても自動的に行われるというイメージがありますが、それは違います。

システム化は人間が行う作業をツールに変えることで、人間が行う作業を楽にすることが目的。普段の業務の中でも気づいておられると思いますが、コンピュータになにもかもやらせようとするとかえって人間の負荷が増えることがあります。

それもまた本末転倒、どこまでを人間がやって、どこまでをコンピュータでできるようにするのか?このバランスがとても重要です。

私は「IT屋、システム屋の仕事は人間とコンピュータの役割の境目を見つけること」と説明しています。

コンピュータに使われないシステム化を

システム化の道を間違うと、人がコンピュータを使うはずが気づけばコンピュータに使われているということがあります。もっと突き詰めるとそのシステムを作った人間に使われていると言えるかもしれません。

システムを作る人は使う人のことを考え、使う人はコンピュータにどこまでを任せるのが良いのかを主体的に考えることがシステム化のプロセスでは大切です。