イノベーションってなんだ

ついに「なんだ」シリーズも三本目を迎えました。このテーマ続けられそうです。

今日のテーマは「イノベーション」。よく聞きますよね、イノベーション。あちこちで起こってて、なんなら一日3億回ぐらい起こっててもおかしくない勢いです、知らんけど。

で、イノベーションってなんだ?ということをWikipediaに聞いてみるとこのように書かれていました。

イノベーション(英: innovation)とは、物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のこと。一般には新しい技術の発明を指すという意味のみに理解されているが、それだけでなく新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革を意味する。つまり、それまでのモノ・仕組みなどに対して全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出して社会的に大きな変化を起こすことを指す。

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確かに新しい技術が生まれるとそれをイノベーションと言ったり、「イノベーションを起こす」と言う時には新しい何かを生み出す意味で使われることが多いですが、それだけではダメで「社会的に大きな変化を起こすこと」で初めてイノベーションと言えます。

身近なイノベーションの例(スマートフォン)

一番わかりやすい例がスマートフォンですね。みんながスマートフォンを持つようになって、良くも悪くも社会的な変化が起こりました。

たとえばどこかへ出かける時、それが初めての場所でもGoogle Mapsを使って迷うことなく到着できたということが多くなったのではないでしょうか。そして、それが当たり前になっている。携帯電話の地図機能は今のスマートフォン(具体的にはiPhone)が登場する前からありましたが、ここまで多くの方が使うようになったのはスマートフォン以後だと思います。

では、スマートフォンを使う前、初めていく場所にはどのようにして行ってましたか?webサイトで場所を確認してた?紙の地図を持って歩いてた?思い出せない方も多いのではないでしょうか?このように今の生活習慣になる前の状態が思い出せなくなったら、それはもうイノベーションだと言えます。

身近なイノベーションの例(温水洗浄便座)

スマートフォンはちょっと分かりやすすぎて、かえってピンとこないかもしれないのでもうひとつ例を挙げてみましょう。私がよく使うのは「温水洗浄便座」です。商品名になりますが「ウォシュレット」と呼ばれるあれですね、トイレで用を足したあとにお尻をあらってくれるやつ。

「温水洗浄便座」も出た当初はとても貴重な存在でした。基本的には個人宅のトイレで使われているものでしたし、ついているトイレの方が少なかったのです。

それが今や、商業施設はもちろん駅などの公衆トイレにもついてます。逆についてないと「あ、ここついてないんだ」って思うぐらい。今の子どもたちは、ついているのが当たり前だと思うのではないでしょうか?

人によっては「温水洗浄便座」じゃないと気持ち悪いという方(逆の方もいらっしゃると思いますが)も多いかもしれません。それぐらい生活に定着し、一般化しています。

これはもうイノベーションだと私は思います、明らかに「社会的に大きな変化」を生み出しています。

イノベーションには時間がかかる

スマートフォンを初めて見た時にイノベーションだと思った人は多いと思いますが、温水洗浄便座を初めて見た時にイノベーションだと思った人は少ないのではないでしょうか。でも間違いなく温水洗浄便座はイノベーションです。

イノベーションには時間がかかるのです、出てきた時には大きな変化を起こさなくても、また起こすように見えなくても5年後、10年後に変化が起こっている場合もある。

スマートフォンにしても、今の状況の変化を予測できた方はほとんどいないのではないはずです、スマートフォンのイノベーションも一日にして成ったものではなりません。

ましてや、何か新しいものを作って「はい、イノベーション生まれました」とはならない。人々を動かしてこそイノベーションですし、それにはものすごく時間がかかるのです。しかし、実際のところその長い時間を待てなくて途中で断念してしまい、イノベーションを起こすに至らないケースも多々あります。日本の中でも多くのイノベーションを起こす可能性のある技術、製品、サービスはありますがその多くは継続性によって阻まれているように思います。

新しい原型をつくる

もうひとつ、イノベーションってなんだ?という文脈においては「新しい原型をつくる」こと、だと私は説明しています。

新しいものを生み出したからといってそれがすぐにイノベーションになるわけではない。それらが原型となって浸透して初めてイノベーションとなる。

先ほどのスマートフォンや温水洗浄便座はまさしく「新しい原型」です。どちらもひとつの製品がすべての市場を独占しているわけではない、多くの企業から製品がでているわけですが、その基本的な形は同じです。

スマートフォンでいえば、タッチできる液晶(最近は有機ELも増えてきましたが)を搭載した通信機器にアプリをインストールして利用するものですし、温水洗浄便座でいえば水を温めるヒーターと温水を射出する移動式ノズルが装備されています。

これらの機器のこの形は長い間変わっていませんが、今後それらが大きく変わる可能性があります。その時にまた新しいイノベーションが起こるのでしょう。スマートフォンで言えば操作が画面から音声に変わりつつあるのもそのひとつです。

まとめ

私の考えるところの「イノベーション」とは、

ということになります。ローマは一日にして成らず、といいますがイノベーションも一日にしては成りません。5年後、10年後に今まで作ってきたひとつひとつの点がつながって線になっていることを信じて進むしかないのですね。