私の考える未来のテレビ

この話は以前にも書いたのですが、新しいApple テレビが発表されたこともあっていいタイミングなのでもう一度整理して書くことにします。

私の考える未来のテレビ

私の考えている未来のテレビは、ざっとこんな感じです。

1.映像の表示機能(画面)と番組の受信機能は別の機械 2.番組はネットから 3.ライフラインの役割としてアナログ放送受信機能

1と2だけを見ればApple TVっぽいですが、3だけ少し違います。

映像の表示機能(画面)と番組の受信機能は別の機械に

昔は、テレビなんてものは10年ぐらい(ひょっとするともっと)は買い替えないものでしたが、最近はテレビの進化も激しくて買い替え周期も短くなっています。

買い替えの理由は「より機能の高い新製品が出たから」ということになるのですが、そのたびにあの大きな物体を捨てるのはもったいないし、なにより廃棄物を増やしているようで後ろめたい。画面の表示は満足しているので、テレビ本体はそのままに中身の機能だけ変えられたらいいなと思ったことありませんか?

そこで、画面は映像を映すだけ、番組を受信したり再生する機能は別の機械になっていて、どちらか買い替えたい方だけ買い替えればいい、そんな風になっていて欲しいのです。まだ一般化していませんが、これから4Kとか8Kの時代になれば、画面の表示性能と番組の受信機能が別々に進化していくことが多々発生すると思いますから、それぞれが別の機械になっているというのは合理的で実質的だと思います。

番組はネットから

デジタル放送になって高画質にはなりましたが、肝心の番組はというと…。そんなこともあって、多くの方がニコニコ動画やYouTubeを観るようになり、挙句の果てには放送局の番組の中でそれらの動画を紹介する番組が成立する始末。

だったら、もう番組はネットからの配信で観たい時に観るでいいじゃないか、と思います。そうすれば、「番組を録画する」ことも要らなくなるので、「録画忘れた」とか「録画の仕方がわからない」ということもなくなりますし、家の中から大きな機械がひとつ減ってせいせいします(私、あまりモノを置きたくない派なので)。

ライフラインの役割としてアナログ放送受信機能

テレビの役割としては番組を楽しむ以外に、ライフラインとしての役割があります。災害情報や気象情報など生活に必要な情報を得るための役割です。特に災害の時には映像が確認できるという意味においてラジオとは役割が異なります。

このような役割と災害時の状況を考えた時に、情報の受信方法がネットだけでは使えなくなる恐れがあるのでやはり空中とを飛んでくる放送波の受信は必要。でも、それはデジタルの高画質でなくてもいいし、デジタル放送も災害や受信状況に影響されやすいという意味ではネットに近いので、アナログ放送の方が望ましいのです。

ほら、デジタル放送になってカーナビのテレビが山奥やトンネルの中で観られなくなった経験はありませんか?アナログの頃ならノイズが乗っててもなんとか映像は確認できたし、音も聴けたのにデジタルになってすぐに観られなくなった。このことを考えても、災害時の情報受信手段としてはアナログ放送の方がいいんです。

未来のテレビを作るために

つまり、Apple TVのようなものが私の欲しい未来のテレビの形に近いわけですが、課題はユーザーインターフェースです。

Apple TVで何かを観ようと思ったら….

  1. テレビの電源を入れる。
  2. テレビを外部入力に切り替える。
  3. Apple TVの電源を入れる。

この3つの操作が必要。電源を入れたらすぐに観られるストレスの無さがテレビらしいと思うので、この煩わしさは致命的ともいえます。ここをなんとかしたい。

「だったら、Apple TVの機能をテレビに内蔵したらいいじゃないか」

いえいえ、それはしたくありません。そうすると今売っているテレビと何も変わらない。 そこで、リモコンの操作はすべて「ボックス(番組を受信する機械)」で受けて、すべての制御は「ボックス」から「モニター(表示だけをする機械)」に対して行うようにすればいいのではないでしょうか。

たとえば、「ボックス」が電源ONになると「モニター」もONになり、「ボックス」が電源OFFになると「モニター」もOFFになる、みたいなことです。こういった機能は現在のテレビとレコーダーを接続するHDMIというインターフェースでも規定されている仕組みなので、技術的に全然難しくありません。これを実現するだけでもかなり使い勝手は向上すると思います。

ただし、各メーカーが勝手にやってしまうと「ボックス」と「モニター」の組み合わせによって繋げられない組み合わせができてしまうので、インターフェースの標準化が必要になりますね。

もうひとつの標準化

できれば、内部的なインターフェースだけじゃなくて外部インターフェース、物理的なものの形も統一してもらえれば嬉しいです。「ボックス」の大きさとコネクタの形状を統一して、「モニター」に「ボックス」を収納するスペースを設けられるようにする。たとえば、「モニター」の背面にポケットがついてて、そこに「ボックス」を入れるだけで接続ができるようになっていれば、お年寄りや機械の苦手な方でも簡単に接続ができますよね。

そうすると、テレビの周りにモノを置いたり、余計な配線が見えないのでテレビ周りがスッキリしますし、「スマートなテレビ」にふさわしいスタイルだと思います。

課題はコンテンツ配信

と、ここまでは主に機器側のことを書いてきましたが、「番組はネットから」というのであればコンテンツ配信サービスが整のわなければなりません。こちらが一番難しいでしょうね、現在の放送とネット配信ではビジネスモデルが違いますし、特に日本はこのあたりに特別な事情が絡んでいるので、海外に比べると手こずるのかも。

ただ、huluや最近サービスを開始したNetflixのように海外のコンテンツ配信サービスが日本に参入している昨今の状況を考えれば、放送業界もいつまでも悠長に構えていられないのじゃないか?とは思います。結局、外圧(黒船的な)で変わっていく、というのが日本の文化なのでしょうか。

未来のテレビがテレビ売り場にやってくる日

などなど勝手なことを書いてみました。コンテンツ配信を含めるとなかなか難しいところはありそうですが、Appleは自社でコンテンツ配信を始めるとかいう噂もありますし、私が思う未来のテレビを創出する可能性の高いのは今のところAppleのようです。

国内であれば、任天堂が一番可能性が高いと思っていたのですが、Wiiの後にWii Uを出してきた時に、ダメだなと思いました。Wii Uのタイミングで任天堂が「テレビを作ります」と言って出ていればと思いますし、そのために私は任天堂に行きたいとも思っていました。しかし、任天堂はそこをやるつもりはなさそうですね。

でも、Appleならできそうな気がします。AppleがApple TVとモニターをテレビ売り場に置くようになる日を、私は楽しみにしています。

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