オープンな場でのコミュニケーションはこれから必要なスキル

同じ情報を共有する

私が非常勤で担当している学生のみなさんには「これからの時代、オープンな場でのコミュニケーションができるマインドセットが重要」と伝えています。

ここでいう「オープンな場」というのは、みんなが見ている、みんなが聞いているところという意味です。

講演会などで、最後に質疑応答の時間を設けられることがありますね。しかし、質疑応答の時間に手は挙がらず、終わってから登壇者のところに名刺を持って押し寄せて質問する。登壇者の前に長い行列、こんな光景を見たことがありませんか?

このパターン、日本人に多いそうです。

設けられた質疑応答の時間に質問し回答を得る、こうすることで同じ疑問や質問を持っている人にも情報が共有されるし、登壇者も個別に同じ質問に答えなくて済む。でも、みんなの前で質問するのが恥ずかしいと思う人が多いようです。

こんな風に感じたことがある方は多いのではないでしょうか?

これに加えて、会社の会議などでは「この質問したら仕事を増やして同僚に迷惑をかけるかもしれない」「会議の時間を長引かせてしまうかもしれない」といったこともよくありますよね。

私は少なからずありました。こういう気持ちが「オープンな場」での発言を躊躇させます。

講演会の質疑ぐらいならまだマシなんですが、仕事やプロジェクトの中だと適切なタイミングでコミュニケーションをしなければ、情報に偏りがあったり認識にズレが生まれます。

だから、できる限り関係者が揃っている時に疑問を投げかけ解決し、情報を共有した方がいいんですね。

同じ情報を共有していることを共有する

情報そのものではなく、同じ情報を持っていることをコミュニケーションする相手と共有することも重要です。

ややこしいですね。

私が知っているこのことを相手も知っている、ということをお互いに知っている、ということです。

さらにややこしいかな。

相手が自分と同じ情報を与えられているのか?がわからないと、自分がどこまで情報を開示して良いのかの判断に困ります。

また、何を基準に話をすれば良いのかがわからないので、説明が回りくどくなりコミュニケーションにかかる時間的コストが上がります。

したがって、同じ情報を持っていることをあらかじめ認識しておく必要があります。

方法としては、文書などのまとまった情報をそれぞれに渡すというのが考えられますが、これだけでも漏れが生まれる。

その情報を元に交換した意見交換が個別に行われると、その部分に認識のズレや偏りが生まれる。

これらを解消するには、みんなが見ているところ聞いているところ「オープンな場」でのコミュニケーション」が必要ということです。 自分が管理しているチャットグループでも、みんなが見ているグループ内ではなく、個別にメッセージが送られてくるケースも多くあります。それをまた全員に展開するのが一苦労。

デジタル化が進み情報を流通させる手段が増え、そこに関わる人が増えている今「オープンな場でのコミュニケーション」は間違いなく重要になってきます。

この記事を読んだ今から、ダイレクトメッセージをやめ、個別の電話をやめて「オープンな場でのコミュニケーション」を実践してみてください。