「モジュール化」これからの機械のカタチ

LEGO

先日、スマートフォンの機能をモジュール化し自由に組み合わせられるモノにするプロジェクトが発表されました。

Motorola、組み立てスマートフォン構想「Project Ara」を発表

モジュール」とは「交換可能な構成部分」という意味で、新しい機種が発売されても本体まるごと買い替えることなく、カメラだけ新しくするとか、より速いCPUのものに変えることができるようにするということです。

これが実現されれば必要な部分だけ変えられ、新しいモデルが出るたびに悶々とすることがなくなるのではないか、と個人的には期待しています。

モジュール単位でリユースが進めば廃棄物も減らせますし、未来の機械の形は「モジュール化」にあると言っても過言ではありません。

「モジュール化」の課題

モジュール化を実現するためには、各モジュール間のインターフェースを統一・標準化することが重要ですが、利用者が簡単に使えるようにするための「ユーザーインターフェース」の開発も重要になるはずです。

たとえば、「テレビ」と「ビデオ」は別々に購入してケーブルで接続して使う「分離型」と、ビデオ機能をテレビに内蔵した「統合型」があります。

「分離型」の場合、「テレビ」と「ビデオ」をケーブルで接続したり、別々のリモコンで操作しなければなりませんが、「統合型」であれば接続は不要ですし、リモコンも一つで操作できます。

スマートフォンも「モジュール化」されて「分離型」になれば、今ままで必要なかった接続という手順が増え、それらを操作するための画面が増えれば、使いにくくなること間違い無しです。

ハードウェア的には、レゴブロックを組み立てるように簡単に繋げられるものが考えられるでしょうし、無線を使った接続も、Bluetoothのペアリングみたいな分かりにくいものじゃなく、もっと簡単な操作性のものが考案されるはず。

そして将来的には、もっと大きな単位でモジュール化が進み、スマートフォンをテレビにガチャ!と繋ぐだけでスマートフォンの写真がテレビで見られるといった分かりやすさが実現されるかもしれません。

なかなかハードルが高そうですが、スマートフォンやタブレットの世界で「統合型」の覇者であるAppleに対抗できるかもしれない「分離型」プロジェクトを、Google傘下のMotorola Mobilityがやる、という意味でも興味深いです。

「モジュール化」をリードする「ウェアラブル」

「モジュール」の考え方が進んでいる分野として「ウェアラブル」があります。 「UP by Jawbone」や「Fitbit」のようなデバイスは、ライフログを取得するという機能をモジュール化して単一の製品とし、データの処理や表示は他の機器やクラウドに任せるという形で役割分担されています。

「ウェアラブル」も注目の分野で、各社開発に力を入れていますので、この分野からも「モジュール」の考え方がより一般的になると思います。

Appleも「iWatch」なるものを計画しているという噂がありますので、もしかするとAppleも「ウェアラブル」と「モジュール」へ向かっているのかもしれませんね。

one more thing

自分がこれからはモジュール化、と思ったのは2000年代の初めに「Galileo」の開発に携わった時からです。

これは一台で色んなことができる機械でしたが、当然それぞれの機能は陳腐化していくでしょうし、そのタイミングは機能によって異なるはずだと思ったので、これの次を出すなら機能をモジュール化すべき、と思っていたのです。これはそこへ向かっていくためのステップ、プロトタイプなのかなと。でも、そう言う方向に導くことはできませんでしたね。