現代メッセージング考

「LINE」を代表格とするメッセージアプリの台頭でメールを使う頻度が減ったという方も多いようですが、あらためてそれぞれの特徴を振り返ってみたいと思います。

SMS(ショートメッセージ)

携帯メールの元祖。電話番号宛に送るのでメールアドレスを知らない方や、インターネットオプション契約していない方にも送信可能。 ただし全角で70文字程度までしか送れないのと音声通話の範囲で送られるのでパケット定額とは別に料金が発生することがあり多用には要注意。

MMS(携帯メール)

いわゆる携帯メール。携帯電話にインターネットオプションを付けると使えるメールで、docomo.ne.jp、ezweb.ne.jp、softbank.ne.jp等がつきます。SMSと違って文字数制限が無く写真等のデータの送信も可。 MNPで電話番号を変えることなく携帯電話会社を変更出来るようになりましたが、依然としてメールアドレスは変わってしまうので顧客を繋ぎ止める最後の砦。しかしメッセージアプリの登場でその立場もやや危うくなりつつあるようです。

Eメール(PCメール)

以前はPCユーザーだけのものでしたが、GmailやYahoo!メール等のフリーメールを使えばプロバイダや携帯電話会社が変わっても同じアドレスを使い続けられるため、スマートフォンユーザーには携帯メールをやめてEメール一本にする方もちらほら。

LINE

スタンプと呼ばれる様々な画像が送れる楽しさもあって、学生を中心に若い年代に人気のメッセージアプリ。 その時の話の流れにあったスタンプをすぐに選んで送れるといいんだろうけれど、それがおじさんには難しい。スタンプばかり送ってると肝心のメッセージが画面の外へ消えてしまうのも難点。と思うのはやっぱりおじさんだからか。

Skype

無料のメッセージと音声通話アプリの老舗。LINEほど一般的ではないので利用者が偏っていて誰とでもやり取り出来るという状況にはなっていないものの、通話音質が良いのとビデオ通話も出来るので単身赴任のお父さんと家族とか身近な人同士なら便利。

iMessage

iPhone,iPad,iPod touch専用のメッセージアプリ。iPhoneではSMS/MMSアプリに統合されていて、iMessageで送られたメッセージは水色で表示される。相手が非Apple製品ユーザーの場合は使えない。

SNS系メッセージ

Twitter、Facebook、Path等の同じSNSユーザー同士で使えるメッセージ。同じSNSで繋がった人同士なら使えることが間違いないのでSNSユーザーであればLINEよりもこちらを使う方も多い。私もその一人です。


メッセージングにおける諸問題

メッセージの送信手段で選択肢が増えて便利になりましたが、その中にも大小様々な問題があります。

迷惑メールブロック問題

携帯電話の迷惑メール拒否設定でキャリアアドレス以外からのメールは届かないという問題。 そもそも迷惑メールを送りつける業者が悪いのに善意のユーザーのメールも届かなくなるという状況には理不尽さを感じます。

自分のアドレスを拒否対象外に入れて貰えればいいのですが対象外に入れるための操作が分かりにくく説明が難しいため、泣く泣くキャリアアドレスを利用しているのは私だけではない筈。

改行問題

PCからのメールを携帯で読むと行の途中で改行があり、携帯からのメールをPCで読むと延々長い一行を読むことになるという問題。

その昔PCでメールを書く時に「全角35文字程度で改行入れる」というのがマナーとして言われており、一方携帯メールでは行の終わりまで折り返さないのが普通という書き方の違いが原因でした。

最近は一つのアドレスをPCとスマートフォンからも使うようになったことや、PCのメーラーでは折り返し文字数が設定出来ることもあり、行の終わりまで改行を入れない「携帯方式」の方が良いと思います。

スマートフォン時代のメールの改行位置

絵文字問題

携帯から送られた絵文字がPCメールでは読めないという問題。文章の中に絵文字が入っているだけならともかく、単語を絵文字に置き換えているようなメールは「□が□で、もう□…」とかなり致命的な状態に。これも携帯メールがやめれらない要因の一つになってます。

メッセージアプリを使う若い世代から絵文字の利用が減ってはいるようですが、それでも一定の年代以上ではまだまだ利用者が多いです。

既読スルー問題

相手が読むと出る「既読」表示が出ているのに返信が無いと「なんで返信くれないの?」が気になってしまうという問題。

「既読」とは言うものの受信者が意識して読んだかどうかまではわかりません。そのメッセージを含む画面を表示させた時に「既読」状態になるだけですので、大量のメッセージが溜まっている場合だと見逃されている可能性もあり、状況によってはやむなしというところですが、そこまで理解している人は少ない。

逆に子どもとやり取りする場合、友人からのメッセージが多すぎて親からのメッセージは後回しになり、いつまでたっても既読にすらならない「未読スルー」問題があることはあまり言われない。むしろこっちの方が問題。

我が家の場合、子どものLINEはクラスや部活の連絡用でいつもなんらかの未読が残っている状態なので、LINEには送らないようにして回避しています。

等々、利用者同士で解決出来るものがほとんどなのですが、これらを解決するための意思疎通が難しいというのが一番の問題なのかもしれません。


メールもメッセージもそれぞれの用途で使い分け

LINEを筆頭にメールに変わって主流になりつつあるメッセージアプリですが、エモーショナルな楽しさは別として機能的な良さとしては「相手ごとに一つの画面があるのでやり取りが分かりやすい」「複数の人と同時にやりとりするグループ間メッセージ」が挙げられます。

特に「複数の人と同時にやりとりする」という意味では、メールでも「全員に返信」を使えば出来たわけですが、誰か一人が「全員に返信」を忘れるとそこで途切れてしまうため「グループ間でのやりとり」の使いやすさでは明らかにメッセージアプリに軍配が上がります。

一方でリアルタイム処理なメッセージアプリに比べてバッチ処理出来るメールの方が時間を効率的に使える面もあり、メッセーアプリが絶対的に良いというわけでもないと思います。

他愛無いちょっとしたやり取りならメッセージアプリ、たくさんのことを伝えないと行けない場合、相手がリアルタイムに対応出来ないことが分かっている場合はメールという使い分けでしょうか。

もしかすると両方の良さを兼ね備えた新しいメッセージングの仕組みを産み出せたらノーベル賞ものなのかもしれませんね。

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