ヒトに優しいキカイをつくる

機械に囲まれて暮らしている現代、使いにくい機械がたくさんあります。 その中でも、駅の「自動券売機」と「自動改札」は、もっと人に優しくなって欲しい機械の一つです。

人が窓口で切符を売っていた頃は、「大阪まで大人一枚」といえば、「〇〇円です」と返事があり、お金を出せば切符とおつりが貰えるという簡単なものでした。

それが、「自動券売機」になってからというもの、まず自分で目的の駅までの料金を探し、お金を入れ、目的の料金のボタンを押す、ここまでやらないと切符を買えません。

それも、地元の路線ならともかく、出張や旅行先の路線だと、目的の駅がどこにあるのか路線図から探すのも一苦労。五十音順表記の料金表なら位置関係に詳しくなくても探せるのですが、駅によってはこれが目立たないところにある。

なんとか目的の駅を探し出して切符を買い、目的地に着いて改札を出ようとすると、今度は「自動改札」がピンポン!と大きな音を立てて通してくれない。

「もしかして金額間違ったかな?」と自分を疑い、戻された切符を駅員に見せると問題無し。

間違ったのは「自動改札」の方なのに、なぜか「間違いじゃなくて、よかった」と胸をなで下ろしつつ駅を出る自分がいる。

どうして、ここまで機械に振り回されなければいけないんでしょう。

現代なら、「自動券売機」の不便さは「音声認識技術」でかなり解消可能なはず。 人によって声の強弱、イントネーションなどの違いはありますが、認識しなければならないパターン(主に駅名)はそれほど多くなく、技術的には可能なレベルに達しています。

「大阪まで大人一枚」と話しかけると、金額を表示し、お金を入れるとボタンを押さなくても切符が出てくる。これなら、「自動券売機」と呼ぶにふさわしい。

音声だけで100%認識するのが難しければ、枚数だけボタンで選ぶ、でも構わないでしょう。要は「自分の目的地までいくらか?」を教えてくれればいいのです。そうすれば、自分の行き先がいくらか分からない人の後ろで、イライラすることもなくなります。

「自動改札」のエラー率改善に具体的なアイデアは無いのですが、銀行ATMのようにエラー率の低い機械もあることを考えれば、もっとエラー率を下げることは出来るんじゃないかなと思います。無責任ですみません…。

「自動券売機」と「自動改札」を例に挙げましたが、これらだけが悪いわけではありません。

色んな分野の技術が協力しあって、今までに無い「ヒトに優しいキカイ」を作り出せたら、そしてそういったものを日本から世界に送り届けられたらどんなに良いだろうか?と思うと、他人ごとではなく、自分も頑張らなくては、と思うのでした。

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photo credit: Sigfrid Lundberg via photopin cc