クリスマスにまつわる、思ってたのと違う話

毎年書いているクリスマスにまつわる、みんなが思ってたのと違う話をまとめてみました。何かのネタとして使っていただければ。

キリスト教にも多くの宗派がありますので、宗派によって解釈が違うことがあるかもしれません。ご了承ください。

アドベントは12月1日始まりじゃない

アドベントカレンダーといえば、12月1日から始まって12月25日で終わるカレンダーで、袋や箱がついていて一日ひとつずつ開けていくものというのが一般に知られているアドベントカレンダーかなと思います。

そもそも「アドベント」とは「出現」という意味でこの季節のアドベントカレンダーとは「イエス・キリストの出現(降誕)」を迎えるためのカウントダウンの儀式なのですね。

キリスト教にはいくつかの「節」という期間があって、降誕日(12月25日)の4つ前の日曜日からクリスマスの直前までを降臨節や待降節といい、この期間がアドベントです。12月25日の4つ前の日曜日は年によって変わりますので、必ずしも12月1日からというわけではないのです。

この記事を書いている2023年のアドベントは12月3日から始まります。12月25日が日曜日だった2022年は、11月27日がアドベントの始まりでこれが最速になります。

また、アドベントの終わりも25日ではなく24日が正しいです。一般に販売されているアドベントカレンダーは25日までのものが多いですけどね。

クリスマスイブはクリスマスの前の夜じゃない

何かの前の日の夜(もしくは前の日)のことを「○○イブ」とか、その前の日を「イブイブ」と言うようことがありますが、これは「クリスマスイブ」についての誤解から生まれた表現です。

「クリスマスイブ」とはクリスマスの「前の夜」と思われていることが多いのですが、「クリスマスの前の夜」ではなくどちらかというと「クリスマスの夜」というのが正しいかもしれません。

「イブ」とは英語でいう”Evening”のことで夜を指します。そして、キリスト教における一日は日没から次の日没までを言います、キリスト教におけるクリスマスとは12月24日の日没から12月25日の日没までなんです。

つまり、イエス・キリストが生まれた日の夜だから「クリスマスイブ」なわけです。前夜というよりむしろ当夜です。じゃ、25日の夜は?というともう降誕日(生まれた日の)の次の夜ということになります。

イエス・キリストが生まれた時間は聖書にも書かれていませんが、聖書の話から深夜に生まれたと読み取れます。キリストの生まれた夜が「クリスマスイブ」なのですね。

12月25日を過ぎたらクリスマスは終わりじゃない

日本のクリスマスの場合、25日まではクリスマスの装飾などでいっぱいになりますが、26日になるとすっかり消えさって「もういくつ寝るとお正月〜」って感じになりますよね。26日になると「早くツリー片付けなきゃ」って感じになります。

しかし、先にも書いた通り24日まではキリストの誕生を待つ期間で、むしろ25日はクリスマスの始まりでありここからが本番なんです。25日の降誕に始まって、1月1日が命名日(イエスと名付けられた日)、1月6日が受洗日(イエスが洗礼を受けた日)があり、6日までが降誕節(クリスマス)なんです(教会、宗派によっても異なります)。

なので12月25日以降もクリスマスツリーは出していても問題ないですよ。

おまけ(キリスト教の節)

12月25日の4つ前の日曜日からクリスマスの直前までを降臨節といい、この期間がアドベントで降臨節や待降節と呼ぶというのは先に書きましたが、キリスト教にはこのようにいくつかの期間を区切った教会歴というのがあります。

いつからいつまでというのは教会によって異なりますが、日曜日を基準にして決めることが多いです。Wikipediaに詳しくまとめられているので、この説明はそちらに譲ります。

教会暦 - Wikipedia