はじめに

このたびは、オライリー・ジャパン刊「エレクトロニクスラボ - ものの仕組みがわかる18の電子工作をお買い上げいただき、ありがとうございます。

本書はDK社が出版する「Inventor Lab」の日本語翻訳版で、私は翻訳者の若林です。

この本に掲載されているプロジェクトを実際に作ってみようとした時、各プロジェクトで表示されている部品や材料を用意しなければなりません。しかし、中にはまったく同じものを見つけることが難しい場合もあります。そこで、この本に記載の部品や材料探しのサポートをするためにこのページを作成しました。

電子工作初心者の方でも、電子部品を使わない工作をしたことはあるでしょう。工作をする時に、赤い色紙がなかったので代わりに青い色紙を使う、厚紙がなかったので代わりに画用紙を2枚重ねて使う、など手元に必要な材料がない時でも他の材料で代替して工作を進めた経験があるのではないでしょうか?

これは、電子工作でも同じです。各プロジェクトに記載された部品や材料とまったく同じものを入手する必要はありません。

たとえば、ブザーゲームで使われているスイッチはロッカースイッチ(シーソーのように傾くもの)と呼ばれる形状のものですが、トグルスイッチと呼ばれる持ち手の長いものに変更しても差し支えありません。穴の大きさや配線の位置が本書に記載ものから変わることはありますが、すでに手元にある部品、より安い部品を使う方が安あがりになるなどのメリットがあります。

購入先について

本ページでは、必要な部品や材料をすぐに見つけられるよう、できる限りオンラインで購入可能なリンクをつけています。オンライン販売ではトラブルが起こることもしばしばあります。オンライン販売を利用した上でのトラブル、損害については各自の判断と責任で対処くださいますよう、お願いいたします。

もし、オンライン販売の利用に不安があったり、電子工作初心者であれば、電子部品を取り扱っているお店に行くことをおすすめします。お店に行けば、実物を確認することもできますし、店員さんに相談できます。あなたがどの部品を買えばよいか迷っているのなら、この本を店員さんに見せて相談すればきっと親切にアドバイスしてくれるでしょう。

近くのホームセンターや100円ショップも良い選択肢になります。特に100円ショップは商品数が多く材料の宝庫です。たとえば、プロペラを買う時に、プロペラのついたおもちゃを買ってプロペラだけを使えば、プロペラ単体をオンラインで購入するよりも安くあがることがあります。電子部品についても同じことが言えますが、電子部品の場合は部品の取りはずしが難しいため、初心者にはおすすめできません。

電子部品、ブレッドボードなど

工作材料、手芸用品など


電線・コネクタ

より線、単芯線はそれぞれビニールで被覆されていることからどちらも「ビニール電線」の名称で販売されています。商品説明の中でより線か単芯線かの説明がありますので、商品説明を確認してください。端子に巻きつける時はより線、ブレッドボードに差し込む用途には単芯線が扱いやすいですが、より線の代わりに単芯線、またはその逆を利用することも可能です。エナメル銅線は、ポリウレタン銅線で検索すると見つけられます(参考:エナメル線の話)。


スイッチ

スイッチには、操作方法や動作、接続できる回路の数によって多くの種類があります。機能的に合致していれば、各プロジェクトの材料欄に記載のものとまったく同じものを使う必要はありません。形状や大きさの違いによって入手しやすさが異なる場合もありますので、より入手しやすいものをお選びください。

また、SPDT(単極双投)スイッチの一方を回路に接続にせずにSPST(単極単投)として利用するなど、手元にある部品で代替することも選択肢のひとつとしてください。小さな部品は複数個がセットになっている場合も多いので、その方が安上がりになります。


トランジスタ・IC

トランジスタやICなどの部品については互換品が多数販売されていますが、互換品でも問題ありません。多くの場合、それらは同じ型番であったり、「○○○○互換品」と併記されています。

  • AMラジオ IC(AMラジオ):商品例
  • 555タイマーIC(電子オルガン):商品例

トランジスタについては、TIP31(NPN型)相当のものを「2SC1815」TIP42(PNP型)相当のものを「2SA1015」で検索すると入手できます。それぞれ-Y、-GRなどのバリエーションがありますが、本書のプロジェクトで使用するものについては、どれでも構いません。

  • トランジスタ TIP31(NPN型)相当(自動常夜灯):商品例
  • トランジスタ TIP42(PNP型)相当(自動常夜灯):商品例

コンデンサ

本書に掲載のプロジェクトで使用しているコンデンサはセラミックコンデンサ、電解コンデンサ、可変コンデンサです。セラミックコンデンサは、丸くて平たい形をしており、電解コンデンサは円筒形をしています。それぞれ静電容量が異なりますので、使用する容量を確認して購入してください。コンデンサの容量の見方は、本書15ページをご確認ください。可変コンデンサは文字通り容量を変えられるコンデンサで、つまみを回すことで静電容量が変わります。

  • 100nFセラミックコンデンサ(電子オルガン):商品例
    (100nFは0.1μFと同じです。)
  • 2.2μF電解コンデンサ(金属探知機):商品例
  • 10μF電解コンデンサ(金属探知機):商品例
  • 可変コンデンサ(AMラジオ):商品例

モーター

モーターには一般的に知られている「DCモーター」の他に「振動モーター」や「サーボモーター」があります。本書で使われているのは「DCモーター」と「振動モーター」です。「サーボモーター」とは指定した角度に動かせるモーターで、二足歩行ロボットの関節部分などに使われています。

DCモーター

DCモーターの性能は定格電圧(モーターを動かすのに適性な電圧)で表されています。6Vモーターであれば定格電圧は「6V」ということになります。モーターを購入する際は、それぞれのプロジェクトで示された定格電圧に近いものを入手してください。

  • 手持ち扇風機:商品例
  • ドアアラーム、ペットボトル船、手回し発電機、電動プロペラカー:
    商品例
    ※プロジェクトでは3Vの電源(1.5Vの電池2本)を使っていますが、3Vの電源に6Vのモーターを接続することで回転速度を遅くするためです。3Vのモーターを使い、変わりに抵抗を接続することで回転速度を落とすことも可能です。
  • ヘビロボット:商品例

振動モーター

振動モーターは文字通り「振動」を発生するモーターで、スマートフォンのバイブレーション機能などに用いられています。


スピーカー

本書に記載のもの異なるワット(W)数のものを使っても構いません。ワット数の大きいものを使うと音が小さくなり、ワット数の小さいものを使うと音が大きくなり割れやすくなります。オーム(Ω)数についても大きいと音が小さくなりますので、ご注意ください。


その他電子部品

  • 太陽電池(バグボット):商品例
  • LEDテープ(無限鏡、自動常夜灯):商品例
    ※家庭用電源に接続するタイプのLEDテープには、ACアダプターが付属しているものがほとんどですが、念のためACアダプターが付属していることを確認してください。
  • イヤホンジャック(AMラジオ):商品例
  • PAM8403 5Vアンプモジュールボード(パイプステレオ):商品例
  • フォトレジスタ(自動常夜灯):商品例
  • 8ピンIC用ソケット(金属探知機):商品例

その他部材

  • ファン/プロペラ:商品例(3枚プロペラ)商品例(6枚プロペラ)
  • 内枠付きのフォトフレームか額縁:商品例
    「ボックスフレーム」「シャドーボックスフレーム」などで検索すると同様のフォトフレームが見つかります。
  • 亜鉛メッキワッシャー:商品例
  • アクリルパイプとプロペラシャフト(ペットボトル船)
    金属製のものであればラジコンやプラモデルで使われる製品があり、タミヤからセットになったものが販売されています(3mmシャフトセット)。しかし強度的には竹串でも十分ですので、竹串とストロー(電動プロペラカーで使っているものと同じ)でも問題はありません。
  • 木星の「O」型パーツ(自動常夜灯):ダイソーの店頭で販売しています。

保護具

  • グローブ:商品例
    作業用手袋というと軍手が一般的ですが、軍手は細かい作業がしにくく、部品の足などが布の目を通ってくるのでゴム製のものがおすすめです。ネットで購入する際は大きさの確認を十分に。お近くのホームセンターやワークマンで探すのも良いでしょう。

テスター

テスターは、HIOKIsanwaのものが品質が良く安心ですが、やや高価ではあります。Amazonなどで探すと安価なものが出ていますが、精度に問題があったり接点不良を起こしたりと問題のある製品もありますので、レビューなどを参考にしてお選びください。

テスターは良いものをひとつ買えば長く使えるものですので、あまり安物買いしないことをおすすめします。

とはいえ、10,000円以上するものを買う必要はありません。強いてひとつ挙げるとするならば、HIOKIのカードハイテスタ 3244-60が良いでしょう。このテスターは電流を測る機能はありません。プロとして回路設計を自分でやるのであれば物足りませんが、電子工作で使う分には問題ありません。品質も良いですし、デジタルなので見やすくコンパクトで保管もしやすいです。定価は4,950円ですが、Amazonなどで探すと4,000円未満で手に入ることもあるようです。


参考になるサイト

更新履歴

  • 2020.10.18 : 保護具の情報を追記しました。
  • 2021.04.08 : テスターの情報を追記しました。